稚内市 おすすめ観光スポット

稚内観光おすすめスポット

稚内市は、北方領土を除けば(含めれば、択捉島のカモイワッカ岬が最北端)日本の一番北にある都市です。その中でも、宗谷岬は、一般人が出入りできる日本最北端の地として知られています。さらに、宗谷岬の43km北には、かつて日本の領土であったサハリン(樺太)が見えます。

現在の稚内は、ハートランドフェリーによる利尻島、礼文島への発着港としての観光のまちとして発展を遂げ、1995年に開かれた航路により、サハリンの玄関口としても機能しています。

ここでは、異国サハリンを望む国境の町、稚内のおすすめ観光スポットをご紹介します。

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宗谷岬

宗谷岬は日本で最も北に位置する岬で、北緯45度31分22秒の位置にあり、「日本最北端の地」の三角錐のモニュメントが建っています。しかし、日本が実効支配する範囲では、1.2km北にある弁天島という島が最北になります。

この「日本最北端の地」の碑は北極星を模したデザインで、台座の円形は「平和と協調」を表しています。宗谷岬は、船村徹が作曲し、ダ・カーポの歌唱によって有名になった(元は黒木真理の歌)の同名の歌でも知られています。宗谷岬には、この歌「宗谷岬」が流れるモニュメントもあります。間宮林蔵の像も間宮林蔵渡樺の地から移設されました。

宗谷岬周辺には日本最北のコンビニ(セイコーマートとみいそ店)や最北の郵便局(宗谷岬郵便局)、最北の小中学校(稚内市立大岬小学校、宗谷中学校)など最北づくしです。宗谷岬へは、南稚内駅からバスで「宗谷岬」バス停で下車するといいです。

宗谷岬公園と関連施設

その少し南に位置する宗谷岬公園という日本最北の公園には、潜水艦「ワフー号」に乗っていたアメリカ軍の乗組員80名をはじめとした日米両軍、また、樺太から避難する際に沈没した船の乗組員・乗客を慰霊する「平和の碑」があります。

平和の碑

そして、ニューヨークの国連本部と稚内市との姉妹都市、石垣市と、ここの宗谷岬公園の3か所にしかない、平和の鐘が立っています。

平和の鐘

さらに1983年9月1日に当時のソ連によってサハリン領空に入り撃墜された大韓航空機の乗員・乗客の冥福を祈る「祈りの碑」など、宗谷岬周辺は平和に関するモニュメントがそろっており、稚内が日本とソ連との国境の町、そして日本とソ連という東西冷戦時に両勢力が対峙していた地域であることを意識させてくれます。

祈りの碑

この宗谷岬周辺は宗谷岬牧場が広がっていて、なだらかな丘が広がる宗谷岬丘陵として有名です。この宗谷岬丘陵は氷が地中内で凍結や融解を繰り返してできる周氷河地形として日本の地形としては珍しいものになっています。

宗谷岬丘陵

ほかには、飼育乳牛50万頭を記念した「あけぼの像」もあります。

あけぼの像

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大沼周辺

稚内空港からほど近い大沼地区では、吉永小百合さんの120本目の主演映画である「北の桜守」で実際に使われたセットのある、北の桜守パークがあります。この付近は、国道238号線の道路以外目立った人工建造物は少なく、原野が広がり、野鳥のパラダイスになっています。

また、防風林と道路の間に、一定の高さまでしか伸びない植物、メグマミズナラの大群落が広がっており、冬の厳しさを垣間見ることができるでしょう。

稚内港北防波堤ドーム

稚内港北防波堤ドームは、かつて、サハリンが日本領だった1931年に、北海道帝国大学をその3年前に卒業した建築技師、土谷実のデザインによって建設が開始されました。

1922年から大泊(現在のロシア連邦・コルサコフ市)との稚泊連絡船という定期航路が開かれており、稚内桟橋として駅も設置され、鉄道連絡船の発着場として賑わいを見せていました。

1945年のソ連軍の南樺太への侵攻、南樺太占領によってサハリンから大多数の人々が引き揚げ、なにもかもを失った人々が降り立った場所でもあります。

稚内から足を延ばしてサハリンへ

ソ連崩壊後、サハリンへの外国人渡航が認められましたが、ソ連軍の南樺太への侵攻によりほとんどの日本人が引き揚げた後のサハリン(1947年以降も日本人でも残った方や残らざるを得なかった人もいます)は、ソ連が原則として外国人の立ち入りを禁止していたため、目の前にありながら行くことができない望郷の島になっていました。

1995年にハートランドフェリーによる稚内からコルサコフ港までの船舶航路が開設されましたが、残念ながら赤字により撤退。現在では北海道サハリン航路株式会社により、国際線ターミナルから北海道サハリン航路株式会社により、シンガポール船籍の「ペンギン33」(2018年度は「ペンギン32」)を使って夏の間だけコルサコフ港への定期航路が開かれています。

2018年9月からは、簡単な電子ビザでサハリンを訪れられるようになり、稚内市とサハリン(樺太)は、国こそ違えども、再びともに友好の道を歩んでいます。

今日の稚内は、国境観光(ボーダーツーリズム)の玄関口ともなっています。稚内市は国境という行き止まりではなく、その先へも連続性を持って地域が続いているのです。

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稚内公園と氷雪の門

稚内市の象徴といえば「氷雪の門」でしょう。この氷雪の門も樺太との深いつながりを示しています。

氷雪の門

氷雪の門は、1963年に建立され、顔は戦争で受けた苦しみ、手は樺太を失った悲しみを、足はその悲しみから立ち直ろうとする姿を表現したものです。晴れていれば、氷雪の門が建っている稚内公園から、はるか43kmかなたにサハリンのクリリオン岬(日本名:西能登呂岬)を眺められます。

氷雪の門といえば、ソ連の圧力により公開が中止となった同名の映画もありますが、そのモデルとなった「九人の乙女」についての石碑や、それについて昭和天皇や香淳皇后が歌われたとされる和歌の石碑もこの稚内公園にあります。

夏ならば稚内北方記念館・開基百年塔から夜景を見ると良いでしょう。1879年に宗谷村が稚内の地に置かれた年を開基とし、その100年後となる1978年に建設された塔で、地上から70mの高さに展望台があります。そこから眺める夜景は日本夜景遺産にも認定され、名物となっています。

また稚内公園には、樺太犬の供養塔もあります。南極観測隊とともに渡った樺太犬「タロ」と「ジロ」の逸話は有名ですが、南極観測に向けた訓練を行ったのがこの稚内でした。

樺太犬供養塔

ノシャップ岬周辺

ノシャップ岬(野寒布岬)と、根室市にある納沙布岬はよく混同されがちですが違う場所です。どちらもアイヌ語である「ノッ・サム」からきていて、その意味は「岬の傍ら」だそうです。

ノシャップ岬からは、利尻富士をはじめとする利尻島や礼文島、そしてサハリンを一堂に眺められます。日本で2番目の高さを誇る稚内灯台もあります。そして、日本最北の水族館である「稚内市立ノシャップ寒流水族館」や科学館としては日本最北の「稚内市立青少年科学館」もあります。

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稚内駅と道の駅「キタカラ」

稚内駅は宗谷本線に属し、樺太にあった古屯駅が、樺太のソ連占領によって日本の鉄道としては廃止になったため日本最北の駅となっています。

もともとの南稚内駅が稚内駅を名乗っていましたが、稚泊連絡船へ便利な現在の位置に線路を延長して現在の稚内駅を作りました。その後、JR天北線の廃止や列車本数の減少に伴ってかつての賑わいはなくなりましたが、今でも鉄道ファンのあこがれの駅となっています。

稚内駅の駅舎からわずかにレールを模したオブジェが伸びていて、1つ昔のホームがあったところまで延びています。

さらに昔は北防波堤ドーム(稚内桟橋)まで伸びていて、稚泊連絡船とともに樺太への橋渡しをしていました。新しくなった駅舎は、宗谷バスの案内所のほか、日本最北の映画館や日本で唯一鉄道の駅と併設された道の駅があって、稚内の新時代をイメージさせます。

日本海オロロンライン

天売島(てうりとう)に生息するウミガラスの「オロロン」という鳴き声から名前の由来が来ている道路。ここは、日本海沿いに小樽から(狭義には石狩市から)稚内まで伸びる道路の終点です。

日本海沖に利尻富士を眺められる絶景スポットがあり、ライダーには人気の道路です。サロベツ原野では、ここでしか見られない約100種類の湿原植物が咲き誇っています。

稚内へのアクセス

稚内へは空路が最も便利です。ANA(全日空)が、東京・羽田から1日1便、夏季は1日2便運航しています。

また、札幌・新千歳からもANAが1日2便運航しています。ただし、冬の欠航率は高いので、冬に訪れる場合は日程に余裕を持ったほうがいいでしょう。

鉄道ですと、札幌から特急「宗谷」が1日1往復、旭川から特急「サロベツ」が1日2往復運転されています(旭川での乗り継ぎでも札幌からの通しで特急料金は計算されます。)。普通列車は1日下り3本、上り4本しかありません。

特急 宗谷

札幌からですと、バスもあります。宗谷バスの「わっかない号」が札幌と稚内を結んでいます。

夏だとレンタカーも便利です。札幌からですだと、旭川を経由するよりも日本海オロロンラインを経由したほうが時間が早く済み、道路も複雑ではありません。

最後に

いかがでしたでしょうか?

異国となってしまったサハリンを望む国境の町、稚内には、なかなか訪れる機会はないと思いますが、宗谷丘陵をはじめとした大自然の雄大な景色は訪れる人々を魅了しています。

今度の旅は北海道が元気であることを確かめに稚内へ出かけてみませんか。

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