京都散策 おすすめコース 哲学の道 銀閣寺~法然院~安楽寺~霊鑑寺~大豊神社

おすすめ京都散策コース 哲学の道 銀閣寺~法然院~安楽寺~霊鑑寺~大豊神社

「哲学の道」とは何とも高尚なイメージの名前だ。明治から昭和にかけて哲学者西田幾多郎や経済学者河上肇などが思索しながら散歩したからそう呼ばれるようになった。

この道には「関雪桜」と呼ばれる桜が植えられている。近くに画室を構えた日本画家橋本関雪の妻ヨネが植えた桜なので「関雪桜」と呼ばれると伝わる。春は桜、夏は蛍、秋は紅葉と一年中風情があり散策する人が絶えない。

歩いたことのある人は分かるだろうが、哲学の道は小川に沿っている。この小川、琵琶湖疏水である。

小川の水は琵琶湖から流れてきていることを知らない人も多い。琵琶湖疏水は明治時代、東京へ都が移り人口が減り徐々に衰退する京都を活性化させるため5年の歳月をかけて完成した「大きな水路」である。

隣の滋賀県琵琶湖から水をひくという壮大な計画は、日本最初の事業用水力発電所の建設につながった。現在も岡崎の夷川発電所が稼働している。

また疏水の水は当初工業用水として利用される予定だったが、その計画は白紙となり、結果疏水は東山地域の庭園美を保ち現在に至っている。哲学の道とは南禅寺の水路閣を通り東山山ろくに沿って掘られた琶湖疏水分線の一部である。土手に桜が植えられ百年ほど、見事な並木道となった。

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哲学の道 銀閣寺~

前置きが長くなった。では早速哲学の道を歩いてみよう。東山の山裾、北は銀閣寺から南は熊野若王子神社までの琵琶湖疏水分線に沿った道が通称「哲学の道」だ。周辺には古刹が多く見どころ満載だ。

北から順に銀閣寺、法然院、安楽寺、霊鑑寺、大豊神社、熊野若王子神社そして哲学の道の延長上にある永観堂と南禅寺を訪れることにしよう。

京都歩きは北から南へ向かうのが基本。北の方が標高が高いので南に向かうとゆるやかな下り坂になるからだ。覚えておこう。

スタートは銀閣寺。正式名称は慈照寺。室町幕府8代将軍足利義政が造営した別荘で、銀閣とは国宝の観音殿のことだ。金閣寺のように金箔が貼ってあったという説は否定されているが、派手さのない渋い佇まいは現代の日本人の好みにピッタリ。

東求堂(とうぐどう)の同仁斎(どうじんさい)は義政の書斎で最古の四畳半という。義政の美意識が凝縮されており茶の湯空間としても貴重だ。

庭園は国の特別名勝に指定されている。特徴的な白砂の銀沙灘(ぎんしゃだん)が広がり、他の寺院の枯山水庭園とは違う開放的な印象だ。

向月台(こうげつだい)と呼ばれる円錐台形の盛り砂も銀閣寺独特の意匠である。義政は苔寺(こけでら)として有名な洛西の世界遺産・西芳寺(さいほうじ)を模して庭園を造営したと伝わる。

錦鏡池(きんきょうち)を中心とした池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)はなるほど苔が大変美しい。苔の生育には様々な条件が必要だそうだが、条件が整っていたとしても大変な手間と時間がかかる。緑のじゅうたんを眺めて綿々と受け継がれてきた庭園美を保つ努力を感じて欲しい。

茶の湯を愛した義政が水を汲んだとされる「お茶の井」の遺構も残っており、茶道文化の発祥の地の一つともいえる。

話は逸れるが毎年8月16日に行われる五山の送り火」は有名だが、その「大文字」には誰でも登ることができる。登り口は銀閣寺のすぐ横にあることを知る人は少ない。地元の小学生が遠足で登ることが出来る程度の標高なので、一味違った観光を楽しみたい人にお勧めする。銀閣寺にはまだまだ見どころが沢山あるが、次に進もう。

画像提供:京都フリー写真素材

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哲学の道 法然院~

哲学の道を南に進むとまず法然院だ。浄土宗開祖の法然が弟子と共に六時礼讃を勤めた草庵に由来すると伝わる。

山門を入った両側にある白砂檀には季節の砂絵が描かれており、訪れる善男善女の目を楽しませてくれる。境内参観は無料だが、春と秋にはお堂の中や方丈庭園などを特別公開している。

善気水と呼ばれる湧き水は洛中名泉の一つ。また法然院には谷崎潤一郎、九鬼周造、河上肇ら著名人の墓所があることでも有名だ。お墓参りは観光気分を捨て、心静かにマナーを守ろう。

哲学の道 安楽寺~

さあ、次の安楽寺まで徒歩数分だ。こちらも浄土宗のお寺だが、少し悲しい歴史がある。承元(または建永)の法難という事件だ。

1206年、時の後鳥羽上皇の御世に法然の弟子であった安楽と住蓮が開いた念仏の会に後鳥羽上皇の女房が参加し、出家してしまったのだ。ちょうど後鳥羽上皇が熊野御幸で留守中だったこともあり、上皇の逆鱗に触れ安楽と住蓮は死罪、法然と親鸞は流罪となった。

安楽寺はこの法難で命を落とした僧侶を弔うために江戸時代に建立されたお寺である。山号は住蓮山。

毎年桜・躑躅・サツキ・紅葉の頃に特別公開している他、7月25日には「鹿ケ谷(ししがだに)かぼちゃ供養」という行事で境内が賑わう。この日に鹿ケ谷かぼちゃを食べると中風除けになるという。鹿ケ谷かぼちゃは瓢箪型をした珍しいかぼちゃで京都の伝統野菜・ブランド野菜に指定されている。「九相図(くそうず)」などの寺宝も公開される。

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哲学の道 霊鑑寺~

安楽寺から少し南へ進むと霊鑑寺(れいがんじ)だ。こちらも通常は非公開だが春と秋に特別公開がある。別名を谷の御所・比丘尼御所ともいい、代々住職は皇女が務めていた「尼門跡寺院(あまもんぜきじいん)」である。
寺宝には優れた人形などが多く、見応えがある。椿の名所としても有名。

画像提供:京都フリー写真素材

哲学の道 大豊神社~

さらに南へ進むと大豊神社(おおとよじんじゃ)だ。椿ケ峰天神とも呼ばれ菅原道真を祀った神社。境内の大国社の前には珍しい「狛鼠」が据えられている。この辺りは蛍の名所としても有名で、6月中旬になると美しくも幽玄な光を放って乱れ飛ぶ。静かに見物に行こう。

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哲学の道 熊野若王子神社~

銀閣寺から歩いてきた哲学の道もそろそろ終点、熊野若王子神社(くまのにゃくおうじじんじゃ)だ。大豊神社の南に位置し、紀州の熊野権現を篤く信仰していた後白河上皇が勧請したと伝わる。

東山通り丸太町にある熊野神社、東山区にある新熊野神社(いまくまのじんじゃ)と共に京都三熊野社と呼ばれる。境内は拝観料などの必要はなく、いつでも自由に見学できる。本殿に手を合わせることをお忘れなく。

画像提供:京都フリー写真素材

永観堂(禅林寺)

銀閣寺からスタートした哲学の道もこの熊野若王子神社で終点だが、ここまで来たらもう少し足を延ばそう。哲学の道から西へ向かい鹿ケ谷通りに出て少し南へ進むと禅林寺だ。紅葉の永観堂として有名。紅葉の季節にはため息が出るほどの美しさなので人込みも納得するしかない。

ご本尊は斜め後を振り向いたお姿の「見返り阿弥陀」。大変珍しい仏様だ。近代短歌の先駆者与謝野晶子が夫鉄幹への想いを謳った歌碑もあり、短歌史上有名な場所でもある。

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南禅寺

さあ、禅林寺からさらに南へ進むともうすぐ南禅寺だ。

京都五山之上とされ臨済宗寺院で最も格式が高いとされる寺院だ。方丈(ほうじょう(禅宗寺院の住持や長老の居室))は国宝で元々は御所に在った宸殿(しんでん(高貴な方をもてなす建物))と伝わる。三門は重要文化財。

天下の大泥棒石川五右衛門が「絶景かな」と言ったと歌舞伎「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」では演じられるが石川五右衛門の時代には三門は無かったというのが事実。がっかりしただろうか。でも三門には登ることができるので、是非登って京都を一望できる絶景を楽しんで欲しい。

南禅寺 三門

哲学の道は琵琶湖からの水路に沿った道だと先に話した。この水は南禅寺にも通っている。

「水路閣」という煉瓦作りのローマ風の水道橋がそれだ。TVドラマなどでよく紹介されるので見たこともあるだろう。今でも現役で琵琶湖の水を流している。階段を上って水路閣の上を見てみよう。驚くほどの水量が滔々と流れている。100年以上昔に作られた建造物とは思えない美しさに感動する。

南禅寺の境内には多くの諸堂、塔頭が並んでいる。別院の南禅院は水路閣のすぐそば。塔頭の天授庵は三門の横、金地院も三門から徒歩3分。これらは通年拝観できるので立ち寄って欲しい。どちらも庭園が見事だ。

南禅寺 天授庵

南禅寺から市営地下鉄東西線蹴上駅(けあげえき)へ向かうと「ねじりまんぽ」という変わった名前の短いトンネルがある。これを抜けると三条通りに出る。向いには蹴上浄水場がある。琵琶湖疏水の大いなる遺産だ。現在も京都市民の喉を潤している。通常は非公開だが、ここはツツジが有名。毎年ゴールデンウィークころの見ごろになると特別公開される。

また永観堂でも触れた与謝野晶子の歌碑がここにもある。

銀閣寺から哲学の道を通り永観堂と南禅寺にも立ち寄り蹴上浄水場まで、直線距離でおよそ2キロあまり。明治の先人の知恵と努力を思い浮かべて歩いてみてはいかがだろう。

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