京都散策 おすすめコース 嵯峨・嵐山観光

京都散策 おすすめコース 嵯峨・嵐山の魅力

「京都 大原 三千院」で始まる昭和の歌謡曲「女ひとり」はあまりに有名で、恋に疲れた女は京都へ行くものだと刷り込まれた人も多いだろう。女ひとりの二番の歌詞では「栂ノ尾高山寺(とがのおこうざんじ)」を訪れ三番では「らんざんだいかくじ」に行っている。

「らんざん」とは嵐山(あらしやま)のことだ。大覚寺は時代劇のロケ地として有名だが平安時代からの格式を誇る古刹である。恋に疲れていてもいなくても嵐山は魅力たっぷりの地域。京都市西部の嵯峨・嵐山をじっくりご紹介しよう。

嵯峨・嵐山とひとまとめに表現することが多いが、実は明確な違いがある。桂川をはさんで南側が西京区(にしきょうく)嵐山地域、北側が右京区(うきょうく)嵯峨地域という訳だ。桂川に架かっているのが渡月橋だ。とはいえ区別する必要を感じないほどに一体化した人気エリアであることは間違いない。桂川と渡月橋については後で触れることにしよう。

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法輪寺

まず嵐山地域の古刹といえば法輪寺(ほうりんじ)だ。開基は和銅6(713)年というから奈良時代。

「十三まいり」という習慣はご存じだろうか?数え年で13歳の子どもがお参りするとご本尊の虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)から智恵を授けてもらうことができる。毎年3月13日から二か月間、晴れ着を着た子どもが家族とともに訪れる様子は春の風物詩になっている。

ここで授かった智恵は渡月橋を渡り切るまでに振り向いたら、失ってしまうと言われている。家族にからかわれながらも真面目な顔で真っすぐ前を向いて歩く姿は微笑ましい。もちろん智恵は一年中授けてもらえる。境内は無料。

大悲閣千光寺

もう一つ、大悲閣千光寺(だいひかくせんこうじ)というお寺がある。

「花の山 二町登れば 大悲閣」と詠んだのは松尾芭蕉。渡月橋から上流へ川に沿って数百㍍行き、千光寺への登山口にある案内板からは20分ほど登山することになる。

亀岡からの水運を開削した豪商角倉了以(すみのくらりょうい)が工事で命を落とした人たちの菩提を弔うために建立したお寺だ。山道を苦労して登る価値はある。

寺からは保津川を一望でき、まさに絶景だ。今は亡き作家北森鴻(きたもりこう)の作品「支那そば館の謎」の舞台でもある。拝観料400円。

出典:大悲閣千光寺

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天龍寺

渡月橋を渡ると嵯峨地域だ。まずは世界遺産天龍寺を拝観しよう。

室町幕府初代将軍足利尊氏が討った後醍醐天皇の冥福を祈るために、後嵯峨上皇の別荘だったところに開創した。造営費用は「天龍寺船」を就航させ元(げん)と交易してまかなったという。

曹源池(そうげんち)を中心とした庭園は夢窓疎石の作庭とされ国の特別名勝に指定されている。法堂(はっとう)とは寺院において仏殿や本殿に次いで重要な建物で天井には龍が描かれていることが多い。龍は仏法を守るほか、水を呼ぶとされているので、火災除けでもある。

ここ天龍寺の法堂の龍は故加山又造画伯が描いた「雲竜図」だ。俗に「八方睨み(はっぽうにらみ)の龍」と呼ばれ堂内のどこから見ても目が合うようになっている。拝観料は庭園500円、諸堂は別途。

天龍寺境内にある直営の「篩月(しげつ)」では精進料理を楽しむことができる。

宝厳院~天龍寺 塔頭

天龍寺には多くの塔頭があるが、その一つに宝厳院(ほうごんいん)がある。「獅子吼の庭(ししくのにわ)」と名付けられた庭園は嵐山を借景とした池泉回遊式で、どこから見ても一幅の絵のような美しさだ。残念ながら通年公開はしていない。

毎年3月中旬~6月末と10月上旬~12月上旬の公開なので、日程が合えば是非訪れて欲しい。

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竹林の散歩道~竹林の小径

天龍寺北門から出ると竹林が続いている。京都らしい情緒たっぷりの散歩道だ。竹林の小径をゆっくり歩いていこう。

京都市西部は嵯峨・嵐山を含め古来より竹の産地として有名だ。竹は日本の伝統文化を支える大切な素材の一つ。

例えば茶道で使用する道具の多くは竹を加工して作り上げられる。かぐや姫の「竹取物語」が生まれたのもそのような土壌があったからであろう。

大河内山荘

天龍寺北門から竹林を少し西に進むと大河内山荘がある。昭和前期の映画スター大河内伝次郎の邸宅だった所で、通年公開している。比叡山や京都の町並みが一望でき、四季折々の草木も目を楽しませてくれる。

建物は大乗閣と呼ばれ数寄屋作りの名人笛吹(うすい)嘉一郎の代表作、国の登録有形文化財である。入場料はお抹茶付きで1000円。

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野宮神社

大河内山荘から竹林の小径を東へ進むと野宮神社(ののみやじんじゃ)だ。

源氏物語「賢木(さかき)の巻」にも出てくる古社で、縁結び、子授けと安産のご利益を求めて多くの女性で賑わっている。「お亀石」をなでながら祈願すると願いが叶うというパワースポットでもある。

黒木の鳥居と小柴垣(こしばがき)は平安時代そのままの趣向だ。境内は無料。

御髪神社

野宮神社から竹林を北へ進みJR山陰線とトロッコ列車の線路を渡り西へ進むと、小倉池のほとりに御髪神社(みかみじんじゃ)がある。美容業界に信仰されている全国唯一の神社だ。

亀山天皇の時代の人で髪結い職の祖とされる「藤原采女亮政之(ふじわらうねめのすけまさゆき)」をご祭神として祀る。近年は発毛・育毛などの祈願に訪れる参拝客も多い。境内は無料。

出典:御髪神社

常寂光寺

御髪神社から北は竹林は少なくなり広々とした田園風景が広がる。小倉池に沿って北へ進むと常寂光寺(じょうじゃっこうじ)の入口が見えてくる。

常寂光寺(じょうじゃっこうじ)は小倉山のふもとにあり藤原定家の和歌「忍ばれむ物ともなしに小倉山軒端(おぐらやまのきば)の待つぞなれてひさしき」にちなんで軒端寺(のきばでら)とも呼ばれる古刹だ。仁王門の仁王像は運慶作と伝わる。

紅葉の名所としても名高い。美しい多宝塔は元和6(1620)年の建立で重要文化財。小倉餡発祥の地でもある。拝観料500円。

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二尊院

常寂光寺からさらに北へ進むと二尊院(にそんいん)だ。その名のとおり釈迦如来と阿弥陀如来の二尊をご本尊とする天台宗のお寺で、平安時代に嵯峨天皇の勅願で慈覚大師 円仁(えんにん)が建立。京都ゆかりの有名人の墓所も多い。

境内には京都市指定文化財が豊富だ。紅葉の名所としても知られる。拝観料500円。

滝口寺

二尊院からさらに北へ進み少し山道に入ると滝口寺(たきぐちでら)と祇王寺(ぎおうじ)が向かい合っている。どちらも「平家物語」ゆかりのお寺だ。

まず滝口寺を紹介しよう。平重盛の家来だった斎藤時頼(さいとうときより)と平重盛の妹、建礼門院に仕えていた横笛との悲恋物語は明治になって高山樗牛(たかやまちょぎゅう)の小説「滝口入道」の題材になった。

父親に恋愛を反対された斎藤時頼は出家して滝口入道と名乗り、現在の滝口寺の地、当時の往生院で仏道修行に励んだという。横笛は出家を知り悲嘆の末、大堰川に身を投げたとも尼寺へ出家したとも伝わる。拝観料300円。

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祇王寺

祇王寺。平清盛の寵愛を受けていた祇王(ぎおう)と妹の祇女(ぎじょ)は清盛の寵愛が仏御前(ほとけごぜん)に移ると屋敷を追い出され母と共に嵯峨のこの地で静かに暮らしたと伝わる。後に仏御前も加わり、この世の無常を味わいながら念仏三昧の生活を送ったとされるのが現在の祇王寺だ。

苔の緑が一年を通して美しく静かな佇まいで趣のあるお寺だ。お堂の窓は「虹の窓」と呼ばれ季節や時間によって様々に色彩を変えることで有名。拝観料300円。

化野念仏寺

もう少し北へ足を伸ばすと化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)がある。愛宕神社への一の鳥居の少し手前なので、意外と遠く感じられるかもしれない。

境内にある無数の石仏や石塔はここがかつて葬送の地だったことのなごり。兼好法師の「徒然草」第七段に「あだし野の露、鳥辺野(とりべの)(現在の東山区)の煙」というくだりがある。

蓮台野(れんだいの)(現在の北区)と合わせて三か所は平安京の葬送の地だった。弘法大師空海がここに葬られた無名の人々を弔うために創建したお寺だ。

8月23、24日の千灯(せんとう)供養が有名だが、冬に行くとそこはかとなく漂う寂寥感がこの世とあの世との境を感じさせる。境内は無料。

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清凉寺

天龍寺前からまっすぐ北へ約700メートル進むと清凉寺(せいりょうじ)、通称嵯峨釈迦堂(さがしゃかどう)だ。源氏物語の光源氏のモデルとされる源融(みなもとのとおる)の別荘だった所で、国宝釈迦如来立像が迎えてくれる。長野善光寺の阿弥陀如来と京都平等寺の薬師如来と合わせて日本三如来の一つ。

この仏像は中国伝来で、胎内からは絹で作られた「五臓六腑」が見つかったことでも有名。レプリカを展示している。境内の狂言堂では年に数回「嵯峨大念仏狂言」が上演される。3月のお松明(たいまつ)という行事も迫力がある。拝観料400円。

大覚寺

大覚寺は清凉寺からさらに500㍍ほど北東へ進んだ所にある嵯峨天皇の離宮だった寺院。日本最古の人工の池と言われる大沢の池は月の名所として知られる。

広々とした境内に諸堂が立ち並びそれぞれが「村雨(むらさめ)の廊下」と呼ばれる屋根付きの廊下で結ばれている。平安の雅を感じさせる佇まいだ。数多くの映画やドラマの舞台にもなっている。

「女ひとり」の歌詞では「耳をすませば滝の音」とあるが、かつては「名古曾の滝」と呼ばれた滝があり藤原公任(ふじわらのきんとう)が詠んだ歌が百人一首に残っている。現在は石組の遺構が保存されている。拝観料500円。

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渡月橋

さて渡月橋に戻ろう。桂川に架かっている橋だが、橋の上流を保津川(ほづがわ)と呼ぶ。川に沿ってトロッコ列車が走り、渓谷の雄大な景色を楽しめる。終点の亀岡からは迫力満点の保津川下りを楽しめる。約2時間の川下りだが、船頭さんのトークもなかなか面白く、退屈することはない。

渡月橋はかつて法輪寺橋と呼ばれていた。最初に紹介した十三参りの法輪寺に参詣するための橋だったのだ。鎌倉時代、亀山上皇が「くまなき月の渡るに似る」と言ったことから渡月橋と呼ばれるようになったと伝わる。古来より月の名所だったことが分かる逸話だ。

橋の北詰めには「琴きき茶屋」があり、桜餅が名物だ。渡月橋一帯には料亭も多く、渡月橋の上流では屋形舟でお食事を楽しむこともできる。手漕ぎボートもあり、家族連れやカップルに人気だ。カップルで乗船すると分かれる、というジンクスも都市伝説のように広まっている。真偽のほどはご自身で確かめてはどうだろう。

温泉

京都に温泉が有ることを知らない人も多いが、鞍馬や大原、白川、そして嵐山にも温泉がある。泉質は弱アルカリの単純温泉。「花筏(はないかだ)」「風風(ふふ)の湯」など日帰りできる温泉もあるのでプランに加えてみてはいかがだろう。

京福電鉄(通称「らんでん」)嵐山駅構内には150円で利用できる足湯もある。

嵐山グルメ

最後に嵐山のグルメをご紹介しよう。ずばり湯豆腐だ。有名店が数多くあり、どこもハズレはない。一見普通の民家にしか見えない「竹むら」、天龍寺山内妙智院にある「西山艸堂」、庭を見ながら食べられる「湯豆腐嵯峨野」抹茶豆腐で有名な「松ヶ枝」など枚挙にいとまがない。好みのお店を探してみるのも楽しいだろう。

古来より遊興の地として栄えた嵯峨・嵐山は一日かけてたっぷり楽しめるエリアだ。レンタサイクルで巡るもよし、奮発して人力車に乗るのも良い思い出になるだろう。一年を通して観光客が絶えないので人込み覚悟で出かけて欲しい。

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