京都散策おすすめコース 嵐電沿線観光スポット

嵐電沿線の観光スポット

日本で初めて路面電車が走ったのが京都、明治28(1895)年のことだ。

大政奉還で都が事実上東京に移り、京都は人口が減り危機的状況にあった。それを打開するために琵琶湖から疏水をひき水運と灌漑用水を確保する予定だったが、アメリカの現状を視察した当時の担当者が水力発電の重要性を認識し、計画を変更した。

水力動力ではなく水力発電所を蹴上に建設することにしたのだ。

電力は京都に日本で最初の路面電車を走らせ、京都の人々の生活を一変させた。

第四回内国勧業博覧会は京都で開催されたが、京都駅から会場の岡崎まで来客輸送のために路面電車が開通したのだ。

それに伴い水力を利用しての工業地域として計画されていた岡崎・南禅寺界隈は、山縣有朋の別荘、無鄰菴(むりんあん)をはじめとする別荘群という風光明媚な地区として残ることになった。現在に残る京都らしい素晴らしい景観だ。

当時の路線はすでに廃線になってしまったが、現在も京都市内では京福電気鉄道・通称「嵐電(らんでん)」の嵐山本線と北野線の2路線22駅は運営されている。今回はこの嵐電沿線の観光スポットをご紹介しよう。

「嵐電」とは京福電気鉄道嵐山線のことで、途中の帷子ノ辻駅(かたびらのつじえき)で北野線に接続している。この北野線も併せて「らんでん」と呼ぶことを先にお断りしておく。

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嵐電 四条大宮駅

まずは四条大宮駅で「嵐電1日フリーきっぷ」を購入しよう。大人500円(こども250円)で嵐山線と北野線が乗り放題のお得な切符だ。

他には嵐山駅、帷子ノ辻駅、北野白梅町駅(きたのはくばいちょうえき)で販売している。お得なクーポンも付いているので活用しよう。

では出発の前に腹ごしらえをしよう。四条大宮は阪急電鉄の大宮駅と京都市営バスのターミナル駅でもあるので飲食店も多い。有名な餃子の王将の1号店もここだ。

さてお勧めはフルーツサンドの「やおいそ」だ。四条通りに面している昔ながらの果物屋さんだが、4軒東隣に「フルーツパーラーヤオイソ」があり、そこで絶品のフルーツサンドをいただける。朝9時30分から営業、テイクアウトもできるのでおやつに買って行くのもお勧めだ。

もう一軒、がっつり食べたい人にお勧めなのは交差点から斜めに走る後院通りに面した定食屋さん「京一」だ。餃子の王将四条大宮店の隣に位置するので目立たないが、創業昭和23(1948)年というから王将よりも古い立派な老舗だ。

メニューが豊富なのでどれをお勧めするか悩ましいが、京都ならではたぬきうどんをお勧めしよう。全国的にたぬきうどんと呼ばれる揚げ玉や天かすが入ったうどんではなく、とろみのついたおつゆに細切りのお揚げさんが入り、たっぷりの刻み生姜を載せていただく。寒い季節には体の芯から温まる。営業は午前11時から。

腹ごしらえが長くなったが早速乗車しよう。四条大宮が始発だ。

嵐電 西院駅

次の駅は西院と書いて「さい」と呼ぶ。並行して地下を走る阪急線の駅では「さいいん」と呼ぶ。どちらも譲らないのが京都らしい。

では西院で下車して少し歩こう。

西大路通りを越えて佐井通りを北へ曲がり少し歩くと西院春日神社(さいいんかすがじんじゃ)がご鎮座している。天長10(833)年に淳和(じゅんな)天皇が譲位し西院に移られたのを機に奈良の春日大社から勧請したという古社。病気、特に皮膚病平癒にご利益があるとされ、篤く信仰されている。

また摂社の還来神社(もどろきじんじゃ)は無事に戻ってくるというご利益があり、旅行安全を祈願する参拝者が多い。

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嵐電 蚕ノ社駅

さあ西院駅に戻りまた乗車しよう。

次は蚕ノ社駅(かいこのやしろえき)で下車して駅名にもなっている蚕の社を参拝しよう。正式名は木島坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)、あまりに古くて創建は不明。

この辺りは太秦(うずまさ)といい、養蚕・機織り・染織の技術に優れた渡来人秦氏と縁が深い。秦氏が朝廷に絹を献上するときにうずたかく積み上げたことからそう呼ばれるとか、絹糸が渦巻きの形をしていたからだ等、諸説ある。

本殿の隣に摂社の養蚕神社(こかいじんじゃ)があることから蚕の社とよばれるようになった。

境内にある「元糺の池(もとただすのいけ)」の中央にある三柱鳥居(三つ足鳥居とも三つ鳥居とも呼ばれる)は上からみると正三角形。くぐり抜けられない不思議な形をしていて、京都三珍鳥居の一つ。全国にも十数基しかない珍しい鳥居だ。

同じ三柱鳥居は南禅寺の塔頭、大寧軒(だいねいけん)、東京では向島の三囲神社で見ることができる。

嵐電 太秦広隆寺駅

次は太秦広隆寺(うずまさこうりゅうじ)だ。

太秦広隆寺駅前に立派な楼門が聳えているので迷う事はない。太秦の太子堂とも呼ばれる古刹で、創建は推古天皇11(603)年というから驚きだ。ご本尊は聖徳太子。

霊安殿では「国宝第一号」として有名な弥勒菩薩半架思惟像を拝むことができる。他にも国宝の仏像が多数安置されている。見学は700円。

ところで駅のホームに直結して日本舞踊のお稽古場の入口がある。何故ここに?という所に玄関があるのが京都の面白さの一つだ。広隆寺から徒歩数分で映画のテーマパーク「東映太秦映画村」もあるが、ご紹介はまたの機会に。

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嵐電 車折神社駅

次の駅は帷子ノ辻駅、北野線への乗り換えはここだが、このまま乗車しよう。有栖川駅を過ぎると車折神社(くるまざきじんじゃ)という駅に着く。

この車折神社駅は車折神社直結と言っても過言ではない。ホームの朱塗りの柵など神社の一部と言えるほどだ。

ご祭神は清原頼業(きよはらのよりなり)という儒学者で清少納言の祖先と言われている人物だ。学問成就のご利益で有名。

「祈念神石(きねんしんせき)」を授かり願い事をし、願いが叶ったら感謝の言葉を書いた石を返納するという習慣がある。いわゆるパワーストーンだ。

境内には芸能の神様「あめのうずめのみこと」を祀った「芸能神社」がある。

画像:http://www.kurumazakijinja.or.jp/geinoujinja.html

有名無名を問わず芸能上達を祈願する人々が奉納した無数の朱色の玉垣が、圧倒的な景観を作っている。玉垣は誰でも奉納することができるので、芸能に携わる人は奉納してみてはいかがだろう。また桜の名所としても有名だ。

境内は無料で参拝できる。玉垣の奉納は13000円で2年間掲示してくれるそうだ。

嵐電 鹿王院駅

次は鹿王院駅(ろくおういんえき)へ向かおう。室町幕府三代将軍足利義満が建立した宝幢寺(ほうどうじ)の塔頭として建立された鹿王院は紅葉の名所として名高い。

駅は境内の北側に位置するので拝観するためには南側の総門までぐるりと歩かなければならないが、総門からの景色は紅葉の季節はもちろん輝く新緑の季節もため息の出る美しさだ。

2014/ 5/24 13:59

客殿には足利義満の揮毫(きごう(筆で文字や絵をかく))した扁額(へんがく(横に長い額))が懸けられているのでお見逃しなく。

ご本尊の釈迦如来と十大弟子は運慶の作と伝わるが定かではない。

宝形造(ほうぎょうづくり) と呼ばれる正方形の舎利殿は二層になっていて、嵐山を借景に凛とした佇まいを見せる。苔の庭がひろがり、散り紅葉のころは芸術作品を見るようだ。京都市の名勝に指定されている。

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嵐電 嵐山駅

次はもう嵐山だ。嵐山の名所の詳細は省くが、嵐山駅改札内には足湯があることをお伝えしておこう。

では嵐山駅から帷子の辻駅まで引き返し、北野線に乗り換えよう。

嵐電 鳴滝駅・宇多野駅

北野線で有名なのは鳴滝駅と宇多野駅の間にある約200メートルの桜のトンネルだ。桜の季節には満員になることもあるほどの人気だ。

また踏み切り付近では大勢のカメラマンたちが満開の桜のトンネルを通り抜ける電車を撮影しようと待ち構えているのが見える。

嵐電 御室仁和寺駅

ではまず御室仁和寺駅(おむろにんなじえき)で下車しよう。

駅からゆるやかな坂道を進むと世界遺産仁和寺の荘厳な仁王門が見えるだろう。遅咲きの桜で有名な仁和寺だが、見どころは数えきれない。真言宗御室派の総本山であり日本最初の門跡(もんぜき)寺院である。

門跡寺院とは上皇や親王などの皇族や公家が出家して住職になった寺院で、格式の高いことで知られる。京都には他にも多くの門跡寺院があるが、この仁和寺が平安時代に宇多上皇が出家して僧侶となり僧坊(寺院内の僧侶の住まい)を建てたことに始まる最も古い門跡寺院だ。

当然寺全体が御所風の佇まいで寺とはいえ御殿ともいうべき建物が多く、雅な雰囲気を味わえる。五重塔は重要文化財で時代劇にもよく登場するので見たことがある方も多いだろう。

本堂である金堂は国宝、御影堂は重要文化財でどちらも元々京都御所に在った建物を移築したものだ。拝観料500円。

境内の北西の成就山には四国八十八箇所霊場巡りができるハイキングコースがあるので、時間に余裕があれば巡ってみてはいかがだろうか。約2時間ほどで巡ることができる。成就山入山は無料。

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嵐電 妙心寺駅

らんでん御室仁和寺駅にもどり、次の駅は妙心寺だ。ちょうど敷地の北側に駅があるので裏側から入ることになるが、広い境内を散策しながら臨済宗の禅寺らしさを感じてみて欲しい。

法堂(はっとう)の鏡天井には狩野探幽(かのうたんゆう)の筆による「雲龍図」が素晴らしい。別名「八方にらみの龍」とも呼ばれ法堂内のどこから見上げても目が合うように描かれている。拝観料500円。境内には塔頭が多く、通年公開しているところもあるので拝観してみよう。

退蔵院は国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」を所蔵していることで有名。レプリカを展示している。

狩野元信(かのうもとのぶ)が作庭したと伝わる「元信の庭」の他、中根金作作庭の「余香苑(よこうえん)」という庭園も美しい。

また水琴窟(すいきんくつ)も楽しめる。水琴窟とは蹲(つくばい)の水を流すと下から琴の音色に似た音が響く仕掛けのことで、心癒される音色に聞きほれる人も多い。拝観料600円。

妙心寺東林院は「沙羅双樹(さらそうじゅ)の寺」として有名だ。毎年6月の花の季節に特別公開される。

嵐電 龍安寺駅

では再びらんでん妙心寺駅に戻り、次は龍安寺駅(りょうあんじ駅)だ。

こちらも世界遺産龍安寺の最寄り駅だが下車してから徒歩約10分の登り坂になる。方丈前の枯山水の庭園「虎の子渡し」は国の特別名勝である。絶妙に配置された15個の石が様々なイメージを膨らませてくれる。1975年イギリスのエリザベス女王が訪れたことでも有名だ。

かつて住職の住まいだった方丈の北東にある茶室「蔵六庵(ぞうろくあん)」の前には水戸光圀が寄進したという「吾唯足知(われただたるをしる)」と彫られた手水鉢がある。

庭園は枯山水だけではなく鏡容池(きょうようち)を中心とした回遊式になっている。拝観料500円。

境内の西源院という塔頭では湯豆腐をいただける。

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嵐電 等持院駅

次は等持院駅(とうじいんえき)。駅から徒歩で10分ほど登ったところに室町幕府の足利家の菩提寺として有名な等持院がある。

歴代将軍の等身大の木像は初代尊氏の念持仏とされた地蔵菩薩、達磨大師の木像、夢窓疎石の木像とともに霊光殿に収められていたが、2017年から耐震増強のための解体工事が行われているため、拝観できないのが残念だ。

現在は書院と庭園のみ拝観できる。2020年春には工事を終え拝観で再開するそうだ。現在の拝観料は300円。

庭園は室町時代の高僧、夢窓疎石(むそうそせき)が構築したと伝わり芙蓉池(ふようち)と称される名園だ。築山の上には足利義政好みの茶室「清漣亭(せいれんてい)」がある。拝観時間9:00~17:00。拝観日:無休。12月30日~1月3日は15:00迄。

等持院門前には日本映画の父マキノ省三の像が建っている。何故か?大正時代はここにマキノが作った映画撮影所があったのだ。
ばんつまこと阪東妻三郎やアラカンこと嵐寛寿郎もここからスターになった。

嵐電 北野白梅町駅

はるばる途中下車しながら嵐電に乗ってきたが、北野白梅町駅が終点だ。

目の前は西大路通り、北上すれば平野神社、敷地神社、金閣寺があるが、東に伸びる今出川通りを進もう。

数分で北野天満宮の大鳥居が左側に見えてくる。平安時代に活躍した菅原道真を祀った北野天満宮は全国にある天満宮の総本宮だ。

そもそも学者だった菅原道真は政界でも宇多天皇に重用されたが、ライバルの策略により太宰府に流され、都に戻ることなく亡くなった。その後都で次々と災いが起き、「道真の祟りだ」と人々が恐れるようになり、その怨霊を鎮めようと創建されたのがこの北野天満宮だ。

現在は学問の神様として篤く信仰され、受験シーズンになると境内はおびただしい数の合格祈願の絵馬で埋め尽くされる。

社殿は権現造(ごんげんづくり)または八ツ棟造(やつむねづくり)と呼ばれる独特の建築様式で、国宝。

中門は別名「三光門」とも称され、太陽、月、星の彫刻が施されているとされているが、実際には星の彫刻は見つからない。星は夜になると三光門の上に北極星が輝くからだといわれ、北野天満宮の七不思議の一つに数えられている。

境内には広大な梅園がありシーズンになると甘い香りが漂う。ご縁日の毎月25日は天神市が開催される。

境内の周辺には数多くの骨董や古着の露店が並び21日の東寺弘法市と同様の人気を誇る。

またここは豊臣秀吉が「北野大茶湯(きたのおおちゃのゆ)」を催した場所でもある。ゆかりの「長五郎餅(ちょうごろうもち)」は天神市の日に境内でいただける。お煎茶付きで380円。

歌舞伎の始祖とも呼ばれる出雲の阿国が京都で初めて歌舞伎踊りを披露したのもここだと伝わる。

日本の歴史、文化に大きく関わる北野天満宮、見どころはまだまだあるが、最後に大鳥居の足元に置かれた一対の狛犬の台座にも注目しよう。

明治から昭和にかけて活躍した日本画家で京都画壇の重鎮だった竹内栖鳳(たけうちせいほう)が原画を描いた梅が彫刻されている。うっかり通り過ぎずに楽しみながらお宝探しの気分でお参りしてはいかがだろう。

今回紹介した嵐電沿線の寺社はあまりに見どころが多くて一日では回り切れない事だろう。何度も訪れ一か所ずつたっぷり味わって欲しいと思う。

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